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2012.08.19

三谷文楽「其礼成心中」 in パルコ劇場

三谷幸喜が作・演出を手がけた「其礼成心中」を観に行ってきました。場所は渋谷・パルコ劇場

2006年の歌舞伎(決闘! 高田馬場)に続き、今回はなんと文楽。
最近、何かと話題になってる文楽ですが(苦笑)、見るのは今日が初めてです。


舞台には黒、柿、萌黄の三色(歌舞伎なんかでお馴染みの色)の引き幕がかかっており、なんだかいつものパルコ劇場とは違う雰囲気。
開演直前に三谷幸喜本人(っぽい何か(笑))が登場し、簡単な解説をした後に幕がサッと引かれて、はじまりはじまり。

舞台は上下二段になっていて、「決闘! 高田馬場」の時と同じ構造。
上の段に太夫(語り)と三味線が陣取り、下の段で話が繰り広げられます。
人形一体を三人の黒衣が動かしてるんですが、見ているうちに彼らのことは気にならなくなりました。
すると本当に人形が自分で動いているように見えてくるから不思議。
文楽って人形の表情は変わらないんだけど(変わるのは人形浄瑠璃)、セリフに合わせて腕や手が動く様子を見ていると、表情も変化するように思えてきます。
優雅に動いたかと思えば、激しい動きもあったりして、これって黒衣の息がピッタリ合ってないとできないよなぁ。


タイトルの「其礼成心中」は、近松門左衛門の「曾根崎心中」のもじりで、曾根崎心中の裏にこんな話があったかも・・・とゆう内容でした。
劇中には、その近松門左衛門も登場します。ケンカを売られる相手として(笑)

最初と最後こそ文楽ならでは、って感じでしたが、途中は何でもアリって感じで非常に分かりやすくなってました。
まるで人形劇の新・三銃士(あれも三谷幸喜が手がけた)が吉本新喜劇を演じてるみたい、とでも言えばいいでしょうか。
もちろん現代用語もバンバン登場するし、果ては本物のミラーボールまで(笑)

「決闘! 高田馬場」は元の話を知らないと展開について行けない部分がありましたが、「其礼成心中」は曾根崎心中を知らなくても無問題。
ちなみに会場では、床本(太夫の語る内容が記載された本)がパンフレットとセット販売されてます。
開演中、客席に薄明かりが灯っていたのは、これを見ながら観劇できるようにってことかしら。

上演は二時間。
現代劇を見慣れてる身としては時間も内容もごく普通の分量に思えましたが、これ元来の文楽のテンポで上演すると4~5時間になるんだとか(床本のまえがきより)。
それだけ「巻き」で話が展開してるってことですが、そんな風には全く感じられず。


そんなわけで色々と現代的な文楽である今作。内容も親しみやすくて非常に面白かったです。
機会があれば、本物の文楽の曾根崎心中も見てみたいなぁ。

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